意外と知らない?給与明細書の見方。控除項目についても理解しよう!

給与明細書。

サラリーマンの皆さんは毎月必ず目にしますが、実際にその内容をしっかりと把握している人は
どれくらい、いるでしょうか。

給与明細書にはあなたの収入だけでなく、さまざまな控除項目も記載されています。

これらの控除項目を理解することは、自分の経済状況をより良く管理するために不可欠です。

この記事では、給与明細書の基本的な見方から控除項目の詳細、そしてその注意点までを解説します。

給与明細の項目について。

給与明細には、「勤怠」・「控除」・「支給」・「差引支給額」とあります。

勤怠・・・あなたが会社に勤務した日数、時間数の合計。

支給・・・基本給・通勤手当・深夜手当・早朝手当の合計額。
控除・・・社会保険料、所得税、住民税、その他会社間での控除などが当たります。
差し引き支給額・・・いわゆる手取りです。

イメージとしては、

支給-控除=差し引き支給額となります。

特に今回の記事では「控除」について詳しく見てくことにします。

勤怠=実際に働いた勤務時間数

勤務状況がそのまま反映されます。

項目 説明
出勤日数 通常の勤務日に出勤した日数です。
時間外労働 法定勤務時間を超えて働いた時間です。 通常、残業、深夜勤務、休日出勤が含まれ、
割増賃金が適用されます。
休暇 有給休暇、病欠、慶弔休暇など、勤務を欠席した日数です。
企業の規定に従い、給与が支払われる場合や支払われない 場合があります。
遅刻・早退 勤務時間に対して遅れて出勤したり、早く退勤したりした 時間です。
これも勤怠の一部として記録されます。

*社内の就業規則に詳細が記載されています。疑問点はまずこちらを確認するのもいいでしょう。

支給=いわゆる額面。控除項目が引かれる前の金額です。

基本給+手当=支給となります。

基本給…給料の基本部分で、通常は月給、日給、または時給として計算されます。

各種手当…時間外手当、通勤手当、家族手当、役職手当、資格手当など、特定の条件に基づいて支給される手当です。

ボーナス…年間の業績や成果に基づいて支給される金額で、通常は年に数回(例:夏と冬)支給されます。

控除(健康保険料・厚生年金・雇用保険・住民税)

控除とは、支給額面から自動的に引かれる項目です。

大きく分けて、社会保険料と税金(法的に決められている項目)と
家賃補助言った(会社と従業員の間で決められる項目)に分かれます。
今記事では、社会保険料と税金を取り上げて見ていきます。

【社会保険料】

項目 説明
健康保険 健康を守るための医療を受ける際の経済的負担を軽減します。
厚生年金 老後の生活を保障するための積立て制度です。
雇用保険 失業等のリスクから労働者を保護します。
介護保険(40歳以上) 高齢者や障害者の介護を支える制度です。

【税金】

項目 説明
所得税(国に納付) 個々の収入に対する課税です。
住民税(各市町村に納付) 市町村などの地方自治体が徴収し、公共サービスの提供に使用します。

厚生労働省が発表する毎月勤労統計調査令和5年1月発表分よると

一般会社員の平均給与は276,875円となっています。

この数字を元に実際の負担額を見ていきましょう。

健康保険・厚生年金

令和5年3月分(4月納付分)からの健康保険・厚生年金保険の保険料額表具体的に見てみましょう。

仮に30歳の独身の男性の場合

会社と本人負担額%は
健康保険は、介護保険第二号に該当しない場合の10.0%と
厚生年金保険料の18.3%です。

*原則として、保険料は雇用主と従業員との間で折半して支払われます。
掲載金額は折半後の金額です。

ですので、それぞれ5%・9.15%となり、本人の負担率は給与額の14.15%となります。

さきほどの平均給与額276,975円から算出してみます。
この場合冒頭の表から「等級21」に該当しますので
本人負担額は14,000円と25,620円です。

よって、この合計の金額39,620円が毎月控除される保険料となります。

雇用保険

厚生労働省が発表している令和5年の雇用保険料率のご案内
から見ていきます。

保険料率…6/1,000が掛け金となります。

よって控除の算出方法としては

276,875円×0.006=1,661円となります。

この金額が毎月控除される雇用保険料です。

所得税

国税庁が発表する給与所得の源泉徴収税額表(令和 5 年分)
によって納税額は決められており、国に納める税金です。
その月の社会保険料等控除後の給与等の金額と、扶養家族人数で決定されます。
尚、16歳未満のお子さんは扶養には入りません。

*その月の社会保険料等控除後の給与等の金額とは
雇用保険、健康保険、厚生年金、介護保険料の控除後の金額のことを言います。

項目 金額
給与 276,875円
保険料(健康保険+厚生年金) 39,630円
雇用保険 1,661円
社会保険料等控除後の給与等の金額 (276,875円 – 39,630円 – 1,661円) 235,584円

この場合235,584円金額が「所得税決定のその月の社会保険料等控除後の給与等の金額」となります。

この金額から源泉徴収税額表を確認すると
30代独身の方の場合は5,990円。
30代ご夫婦2人の場合は4,380円が控除額となります。

扶養家族人数が多くなるにつれて納付金額が減額されます。

ご自身が結婚したり、家族が増えたりするタイミングで会社に申告も必要です。

この金額が毎月控除される所得税となります。

住民税

住民税は、今現在自分が住んでいる自治体に納める税金です。
ゴミ処理などといった自治体レベルで管理される、活動資金となります。

住民税で押さえておきたいポイントは3つあります。

東京都主税局のサイトよりまとめてみます。

項目 内容
①税率の決定 1月1日時点での住所に基づく自治体の税率が適用される。
1月2日以降の引越しは影響しない。
②納付額の確認 地方自治体から勤務先へ届く「住民税決定通知書」にて確認。
毎年5月か6月の給与支給時に受け取る。
③納付方法 所得割(所得に応じて決まる)と均等割(一定額を一定に納める)がある。
会社員は毎年6月から翌年5月まで一定額が特別徴収される。

会社員の方は5月か6月に「住民税決定通知書」が会社からもらえること
そして、この内容で決定された住民税を毎月12回に分けて控除されることを
最低限おさえておけば大丈夫でしょう。

実際の大阪市の住民税決定通知書です。
このような通知書がお住いの自治体から発行されます。


*大阪市公式ホームページより抜粋

まとめ。

いかがでしょうか?
実際にあなたが勤務している会社の給与明細の見方が少しでもご理解いただけたでしょうか?

給与明細書はサラリーマンの経済生活を理解し、管理するための重要な情報が詰まっています。

給与明細の基本的な見方・控除項目の詳細や計算方法を少しでも知っておくことは

会社員として勤務するうえで決して無駄にならない知識です。

自分の給与明細をしっかりと把握し、賢く活用していきましょう。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

あなたのサラリーマンライフに少しでもお役に立てれば幸いです。
PREV
従業員10人未満の会社限定|住民税特別徴収の納期と特例
NEXT
【103万→150万円へ】配偶者控除改正によって変わるお得な働き方について解説