外国人留学生アルバイト|外国人雇用状況の届出と雇用に関する手順・注意

現在、日本では人手不足で困っている業界が多種あります。外国人留学生のアルバイトは貴重な働き手として需要は高まる一方です。
外国人留学生をアルバイトとして雇用する場合の注意点、必ず押さえておきたいことを解説いたします。

この記事でわかること

・外国人留学生ができるアルバイトと雇用の注意点
外国人雇用状況の届出の方法と雇用に関する手順
・知らないと雇用主が罰せられる適切な雇用関係の結び方

外国人留学生をアルバイトで採用する時押さえておきたいポイント

外国人留学生をアルバイトで採用する店舗が増え、雇用側が必要な手続きをとらずに起こるトラブルが増加しています。
トラブルになると留学生は留学を続けられなくなる可能性があり、そして会社もダメージを受ける事があります。
最悪の事態にならないよう、採用するためのポイントと手続きを解説します。

在留カードと在留資格のチェック

【在留カード】
外国人を雇用する際は在留資格に関わらず必ず在留カードの確認を行います。
在留カードの確認は以下4点チェックしてください。

・在留カードは本物?偽造カードではないか?在留カード等番号失効情報照会」で必ずチェック
・在留カードの期限は切れていないか?
・「パスポート」と「在留カード」で本人確認を行なう
「留学生」の場合には、上記2つに加え「学生証」と「資格外活動許可証」が必要

在留カードが偽造カードではないか?調べる方法

在留カードを調べる方法は下記のサイトで調べてください。

在留カード等番号失効情報照会
失効した在留カード及び特別永住者証明書の番号が確認出来ます。

出入国在留管理庁 在留カード等番号失効情報照会

https://lapse-immi.moj.go.jp/ZEC/appl/e0/ZEC2/pages/FZECST011.aspx

在留資格・資格外活動許可とは

【資格外活動許可とは】
就労や留学等の在留資格で在留する外国人の方が、許可された在留資格ではない活動、アルバイトなど収入を伴う活動を行おうとする場合に必要な許可。

 

【資格外活動許可の表記場所】
在留カードの表面にある就労制限の有無は「就労不可」と書かれている。必ず在留カードの裏面を確認する。

【「資格外活動許可」の場合】
在留カードの裏側の該当箇所に「許可:原則週28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と記載有

 

【「資格外活動許可」の場合の対処方法】
アルバイトをするには「資格外活動許可」を申請し許可が必要です。この手続きは留学生本人が行います。(詳細は次項目にあります)

注意1:許可がおりる前に雇用すると違法行為となります。
注意2:「留学」の在留資格は学術や文化を学ぶための資格で、就労活動は認められていない。

「資格外活動許可」の申請方法

「留学」の在留資格に係る「資格外活動の許可」には、「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。

「包括許可」通常、留学生はこちらを得ています
「個別許可」インターンシップなどで就業体験を目的とする場合

「資格外活動許可」の申請は住居地を管轄する地方出入国在留管理官署に申請を行います。「資格外活動許可申請書」に在留カードを添付して提出、手数料は不要。

 

詳細は以下のホームページをご確認ください。(提出用申請書もダウンロードできます

資格外活動申請|出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html

「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について|出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00003.html

 

「外国人雇用状況の届出」とは?提出期限と必要書類

外国人雇用状況の届出とは?
外国人労働者の雇用の安定と改善・再就職支援などを目的とした制度です。雇用や離職などの状況と、氏名や在留資格などの情報を記載しハローワーク(公共職業安定所)へ届出をします。インターネットでの届出は内容で変わりますので下記を参照してください。

外国人雇用状況の届出の内容は雇用保険の有無で変わるので注意

雇用保険の有無で届出内容が変わります。提出期限、インターネットを使って届出をする場合は申請先が違いますのでご注意ください。

【雇用保険に加入しない】雇用保険の被保険者ではない場合
様式:外国人雇用状況届出書(様式第3号)

届出者:雇用主 ※派遣アルバイトや派遣社員は派遣元が届け出る

届出先:ハローワーク(公共職業安定所)・外国人雇用状況届出システム(インターネット)

提出期限:「外国人雇用状況の届出」の提出期限は雇入れ日の翌月末日まで

 

【雇用保険に加入する】雇用保険の被保険者の場合
様式:雇用保険被保険者資格取得届(様式第2号)外国人は17~23の欄も記載

届出者:雇用主

届出先:ハローワーク(公共職業安定所)・電子政府の総合窓口「e-Gov」(インターネット)

提出期限:「雇用保険被保険者資格取得届」を届け出る場合は、雇入れ日の翌月10日までです。

【注意】
・外国人雇用状況の届出の根拠法令「雇用対策法第28条」に、「外国人雇用状況の届出」全ての事業主の義務と定められています。
届出を怠ったり、虚偽の報告を行ったりすると30万円以下の罰金が科されます。
提出期限はご注意ください。

留学生を雇用・退職した際は、ハローワークへの届出が必要

留学生を雇用したら、ハローワークに「外国人雇用状況の届出」を提出します。この届出は、採用時・離職時ともに必ず必要です。
雇用形態はアルバイト・正社員どのような場合でも提出。
ハローワーク、もしくは電子申請(「外国人雇用状況報告システム」)で届出ができます。

詳細は以下のホームページをご確認ください。(提出用申請書もダウンロードできます)

外国人雇用状況の届出について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/gaikokujin/todokede/index.html

外国人雇用状況届出システム|厚生労働省
https://gaikokujin.hellowork.mhlw.go.jp/report/001010.do?action=initDisp&screenId=001010

外国人留学生をアルバイトで雇用する時の注意点2選

外国人留学生を雇うメリットは、人手不足解消、インバウンドに対応した多言語の対応などがあります。
その反面、違法に雇用した場合、雇用主に罰則が科せられる可能性があるので注意が必要です。

留学生のアルバイトには、業種・時間の制限がある

留学生のアルバイトは働ける時間が入管法で決まっています。長期休暇の場合は日本人と同様に労働基準法が適用され週40時間が上限となります。

働ける時間数:週28時間が原則別のアルバイトを掛け持ちしている場合もすべて併せて28時間以内・要注意
夏、冬休みなど長期休暇:1日8時間、週40時間労働が可能

留学生がしてはいけないバイト

キャバレー、パチンコ店、ナイトクラブ、ダンスホール、照度10ルクス以下のバー・喫茶店などの風俗営業、性風俗関連特殊営業でのアルバイトは禁止。

知らないと雇用主が罰せられる!外国人留学生を雇用する時の注意点

違法行為で摘発されないためにも、在留資格、資格外活動許可の有無、労働時間・掛け持ちでアルバイトをしているかどうかの確認、その他しっかりと確認をして下さい。

注意ポイント

・外国人留学生の留学」在留資格には就労活動は認められていません

・違反した場合、不法就労を助長したとして企業に3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が科せられる可能性がある

資格外活動の許可を得ていない留学生を働かせていないか?

上限時間(週28時間)を超えて働かせていないか?掛け持ち先も含め合計週28時間

上限時間を超えているか?確認と注意点

上限時間(週28時間)を超えているか?どれだけ働いているか?は賃金台帳、勤怠管理などで管理出来ます。

但し、「掛け持ちの有無」は本人に直接確認しないと分かりません。
しかし残念ながら本人が掛け持ちを隠す場合もあります。
雇用主側として出来ることは、必ず本人より掛け持ちの有無を確認した事実を残しておくのがトラブル回避になります。

外国人留学生のアルバイト|雇用する場合の注意点を徹底解説のまとめ

カードと在留資格は在留カード等番号失効情報照会で要確認です。
採用するには、留学生が「資格外活動許可」を得ている必要があります。
留学生のアルバイトは、業種・時間の制限があります。
留学生を採用、退職した際には、ハローワークへの届出が必要です。
ルールを理解して雇用契約を結んで下さい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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