単純労働者として雇用できる外国人の在留資格を解説

日本で外国人を雇用する時、まず認識しておかないといけないのは、単純労働の目的で外国人を雇うことは出来ません。
ではコンビニや飲食店で見かける外国人はどんな資格を持っているのでしょうか?
どのような在留資格なら単純労働者として雇用できるのか?解説します。

この記事でわかること

・就労に制限のない在留資格がある
資格外活動許可とると留学・家族滞在の在留資格でも働ける

外国人の単純労働者とは?

単純労働者とは専門的な知識や技術がなくても、作業の流れさえ覚えれば誰でも働ける仕事に就いている人を指します。
入管法では一般的な概念よりも広くなっていて下記のような仕事ができます。
ウェイター・ウェイトレス、コンビニ店員、調理補助、ドライバー、警備員、マッサージ師、美容師、理容師、清掃作業員など

日本では少子高齢化が進み、単純労働できる人口が減少している問題に対して、外国人の単純労働者を受け入れています。
しかし、現実的には日本で能力を発揮してしっかりと稼ぎ納税をしてくれる外国人を受け入れたいという流れもあるようです。
従って単純労働者の受け入れは消極的で職種、在留資格等制限があります。

就労に制限のない在留資格

就労に制限のない在留資格があります。(オールマイティな在留資格です)

居住資格身分または地位に基づく在留資格があります。
・永住者
・永住者の配偶者等
・定住者
・日本人の配偶者等

日本人と同じように単純労働を含め、どんな職業にでも就くことがでます。
さらに、自分で会社や店を経営することも可能です。(経営管理ビザが必要)

永住者と永住者の配偶者等

永住者:永住権を持つ外国人、永住許可を受けた外国人
永住権:在留期間を制限されることなく滞在国に永住できる権利
永住者の配偶者等:永住者の配偶者や子など

永住許可が与えられる条件

・10年以上在留していること(日本人の配偶者がいれば3年以上、日本への貢献が認められれば5年以上)
・自立して生活していける資産、技能、仕事をもっていること
・その者の永住が日本国に対して有益になること
・社会保険に加入している・日本に納税をしていること
・高度人材外国人に認定されれば1年~3年で永住権が取得できる(詳細は別記事で解説予定)
→高度人材とは高度専門職を取得した外国人労働者を指す

永住権を持っている場合のメリット

・在留期間の制限がない、ビザの更新が不要になる
・職種や業種などの就労可能業務内容について制限がない
在留カードの更新は必要

永住権を持つ外国人を採用する時の注意点

在留資格が「永住者」になっているか、必ず在留カードを確認
「外国人雇用状況の届出」は義務なので必ず提出しましょう。

永住者でも在留カードの更新はあるので注意
在留期限が切れているのに働かせた場合、不法就労助長罪で罰せられます

 

詳細は以下のホームページをご確認ください。

出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号による別表第二の「永住者

定住者

定住者は法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める外国人に与えられる在留資格です。

在留期間:5年、3年、1年、6カ月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲)
在留期間の注意点:期限前に必ず更新手続きをしなければいけません

主な対象者:人権・人道上の配慮から認められているものなど多岐にわたる
・日系人とその配偶者、インドシナ難民、、中国残留邦人、在日韓国人
・日本人や永住者等の配偶者と死別・離婚した外国人
・永住者や定住者の親に扶養される未成年・未婚の外国籍実子など

※「告示定住者」は、国があらかじめ告示を出して正式に認めている定住者。主に日系人が当てはまります。

日本人の配偶者等

日本人の配偶者等:日本人と結婚した人や日本人の実子

注意:多くの外国人が就労制限を受けない在留資格を希望します。そのため偽装結婚や偽日系人などが出てくる原因にもなっています。雇入れる時は必ず証明書、許可証など確認をしましょう。

「資格外活動許可」を取得すると単純労働ができる

就労に制限のない在留資格以外で単純労働をするためには、「資格外活動許可」を申請、取得する必要があります。

「留学」「家族滞在」この2つの在留資格の場合は手続きをすれば、就労、単純労働が可能になります。

留学ビザはどんな在留資格?

日本の大学、高等専門学校、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)、特別支援学校の高等部、専修学校、各種学校、これらに準ずる機関において教育を受ける活動のために設けられたビザです。就労活動は認められていません。

家族滞在ビザはどんな資格?

・日本で就労ビザを持って働いている外国人の配偶者(妻または夫)、その子供

・技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国ビザ)や、経営管理ビザなどを持って日本で働いている外国人の家族が滞在するためのビザ

・配偶者や子(日本に呼ばれる側)が実際に扶養を受けていること

・日本で一緒に暮らせるだけの経済力があること 年収300万以上

・家族関係が証明できること

・原則として就労することはできません

「資格外活動許可」の取得と注意点

【資格外活動許可とは】
就労や留学等の在留資格で在留している外国人が、在留資格で許可されていない活動、アルバイトなどを行おうとする場合に必要な許可です。

①「留学」の在留資格に係る「資格外活動の許可」には、「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。

「包括許可」通常、留学生はこちらを得ています
「個別許可」インターンシップなどで就業体験を目的とする場合

②「資格外活動許可」を取得して働ける労働時間

週28時間が原則別のアルバイトを掛け持ちしている場合もすべて併せて28時間以内
夏、冬休みなど長期休暇は1日8時間、週40時間労働が可能

コンビニや飲食などのアルバイト単純労働ができます。

 

詳細は以下のホームページでご確認ください。(提出用申請書もダウンロードできます

資格外活動申請|出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/16-8.html

「留学」の在留資格に係る資格外活動許可について|出入国在留管理庁
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00003.html

 

単純労働者として働ける外国人の在留資格を解説のまとめ

日本で外国人を雇用する時、単純労働の目的で雇うことは違法で出来ません。

就労に制限のない在留資格(身分または地位に基づく在留資格があります)
・永住者
・永住者の配偶者等
・定住者
・日本人の配偶者等

資格外活動許可を受けた「留学」「家族滞在」の在留資格の場合
週28時間以内、夏休みなどの長期休暇中は1日8時間・週40時間まで働くことができます。
コンビニや飲食などのアルバイト単純労働も可能です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

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