生命保険の税金は契約形態で変わる|損をしないためのポイントを解説(主に死亡保険金)

生命保険で受け取ったお金には、契約の内容で税金がかかるもの、かからないものがあります。
そして契約形態で税金の種類も異なります。

この記事では税金のかかる保険金はどのようなものがあるのか?死亡保険金にかかる税金の種類と契約のポイントを解説いたします。

どのように契約すれば自分と家族に適した受け取り方ができるのか?
是非とも参考にしていただけると幸いです。

税金のかかる保険金とは?

生命保険で支払われるお金には、保険金と給付金があります。

保険金で受け取るお金には相続税・所得税・贈与税のいずれかの税金がかかり、給付金には税金はかかりません。詳しくどのようなものがあるか見ていきましょう。

死亡保険金、解約返戻金、満期保険金には税金がかかる

死亡保険金:被保険者が死亡したときに受け取る保険金→相続税、贈与税、所得税
満期保険金:保険が満期になり被保険者が生存していた場合に受け取れるお金→所得税、贈与税
解約返戻金:保険を途中で解約したときに受け取れるお金→所得税
個人年金保険:個人年金を受け取ったお金→所得税、贈与税
生存中のお祝い金:契約途中で受け取れるお金→所得税

入院給付金や手術給付金、就業不能給付金等には税金はかからない

医療保険:入院給付金・手術給付金・特定疾病保険金など
入院、手術、通院したときに受け取るお金

がん保険:通院給付金がん診断一時金・先進医療給付金など
がんと診断された時、がんの入院・通院、手術のお金

リビングニーズ:余命半年と医師より宣告されたときに死亡保障から死亡時より先に最大3,000万円まで支払われるお金
高度障害保険金:病気やケガなどで、重い障害状態となり支払われるお金

死亡保険金はどのように契約すれば税負担を抑えられるのか解説

まず初めに保険金にかかる税金が相続税になるように契約するのがポイントです。

契約者・被保険者・受取人の設定次第では保険金にかかる税金(所得税・贈与税)が高額になることもありますのでご注意ください。

契約時に出てくる重要な用語です。混乱してしまう部分ですので迷ったら見返してください。

・契約者:保険料を負担した人=誰が保険料を払うのですか?
・被保険者:保険の対象となる人=誰に対して保険かけるのですか?
・受取人:保険金を受け取る人=誰が保険金を受け取るのですか?

契約者と被保険者が同じ場合/相続税

保険料を負担した人と保険の対象となる人が同じ場合
受け取る人が法定相続人の場合は、税負担が少なく抑えられます。

【例】
夫が自分の万が一に備えて契約した場合など、「契約者、被保険者は夫、受取人は妻」の契約形態の場合
契約者= 被保険者= 受取人=・法定相続人

500万円×法定相続人数の金額が非課税となる。

【計算式】
死亡保険金額-500万円(非課税枠)×法定相続人の数=課税対象の金額
保険金から非課税額を引き、残った金額が相続税の課税対象となります。

なお、死亡保険金の非課税枠とは別に、相続税の計算自体にも3,000万円+600万円×法定相続人の数で算出し基礎控除額が適用されます。(相続税の詳細説明はこの記事では省略)

契約者と受取人が同じ場合/所得税

保険料を負担した人と保険金を受け取る人が同じ場合
保険料を支払った本人が受け取ったお金については所得税となり、支払った保険料を差し引いて税金を計算します。

【例】

夫が妻の万が一に備えて契約し、保険金を自分(夫)が受け取れるように契約した場合
契約者= 被保険者=妻 受取人=

保険契約者が保険金を受け取ると、支払った保険料を引いた残りについて一時所得とみなされます。
一時所得は特別控除として50万円を引くことができ、所得税を計算する上で1/2にすることができます。

【計算式】
(死亡保険金額+配当金-払込保険料総額-特別控除50万円)×1/2=一時所得の課税金額(所得税)

契約者と被保険者と受取人が全て違う場合/贈与税

保険料を支払った人が死亡しておらず、他人がお金を受け取るため契約者から受取人に贈与が発生したとみなされる。

【例】
夫が妻の万が一に備えて契約し、保険金を子どもが受け取れるように契約した場合
契約者= 被保険者= 受取人=子ども

非課税となる金額は死亡保険金額から、基礎控除額である110万円を引いた金額が課税所得となります。

【計算式】
死亡保険金額-110万円(基礎控除)=課税所得(贈与税)

なお贈与税の基礎控除は、1年間にもらった財産の合計額から差し引きます。死亡保険金以外にも個人から財産をもらった場合は、合計額から110万円を差し引きます。(贈与税の詳細説明はこの記事では省略)

生命保険の税金は契約形態で変わる まとめ

生命保険の契約によって税金は異なり、多額の税金がかかることがあります。
契約時には下記3つに誰を当てはめるのか?契約形態をしっかりと把握、考えて契約することがとても重要です。

・契約者:保険料を負担した人=誰が保険料を払うのですか?
・被保険者:保険の対象となる人=誰に対して保険かけているのですか?
・受取人:保険金を受け取る人=誰が保険金を受け取るのですか?

契約者と被保険者が同じ・受取人は法定相続人の契約形態にすると相続税になります。保険金にかかる税金が相続税になるように契約するのが損をしないためのポイントです。

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