令和6年 年末調整の主な変更点と準備のポイント【定額減税や申告書類の変更点を解説】

執筆者 中国語対応税理士 岩谷敦史
2024年(令和6年)より、年末調整に関するいくつかの重要な変更が実施されます。特に定額減税の導入や申告書類の簡略化など、従業員と企業の双方に影響のある改定が含まれています。この記事では、年末調整の変更点や注意事項を分かりやすく解説し、スムーズな手続きを進めるための準備ポイントも紹介します。
この記事を読んでほしい人
このガイドは、
年末調整業務を担当する法人経理や
総務担当者、新しい税制改定に対応したい企業の人事担当者に向けたものです。
この記事を読むことで、年末調整の準備を整え、従業員への周知とスムーズな調整業務の進行をサポートします。
年末調整業務を担当する法人経理や
総務担当者、新しい税制改定に対応したい企業の人事担当者に向けたものです。
この記事を読むことで、年末調整の準備を整え、従業員への周知とスムーズな調整業務の進行をサポートします。
2024年(令和6年)から、合計所得金額が1,805万円以下の従業員を対象に、定額減税が実施されます。具体的には、所得税から3万円、住民税から1万円が控除され、例えば4人家族の場合、所得税で最大12万円、住民税で最大4万円の減税が適用されます。
新しい申告書の提出:減税措置を受けるには「給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 年末調整に係る定額減税のための申告書」が必要です。この申告書には「配偶者定額減税対象」の欄が設けられており、該当する場合にチェックを入れます。
扶養控除等申告書の簡略化【簡易申告書の導入】
扶養控除等申告書について、前年と同じ内容であれば、簡易申告書の提出が可能となり、従業員の負担が軽減されます。これにより、前年と扶養状況が変わらない従業員は、同様の情報を再度記入する手間が省けます。
保険料控除申告書の変更点【記入項目の削減】
保険料控除申告書において、「続柄」の記入が不要になり、申告書の記入がさらに簡便化されました。これにより、記載内容が一部省略され、提出までの手間が軽減されます。
住宅ローン控除手続きの変更【調書方式の導入】
2024年度以降、住宅ローン控除について、年末残高証明の調書方式が導入される見込みです。これにより、金融機関からの証明書提出が不要となる可能性があり、申告にかかる手間が軽減されることが期待されます。
国外居住親族への送金書類【電子決済手段の追加】
国外居住親族への送金について、「電子決済手段」の利用による送金証明が新たに認められるようになりました。これにより、従来の銀行送金に加え、電子決済サービスを通じた送金証明も書類として提出できるようになります。
提出可能な書類:内閣総理大臣が登録する電子決済業者が発行する「国外移転の依頼書控え」が新たに加わり、提出書類の選択肢が広がりました。
年末調整業務における注意事項【対象者確認と従業員周知】
定額減税の対象確認:定額減税には所得条件があるため、特に途中入社や退職した従業員が対象となるかを確認し、正確に手続きを進めることが必要です。
従業員への周知:定額減税や申告書類の変更点について、従業員へ早めに周知し、年末調整の準備をスムーズに進めることが重要です。
まとめ
これらの変更点を踏まえ、年末調整に必要な書類や手続きを事前に準備することで、業務をスムーズに進めることができます。また、従業員の理解を深めるため、手続きの簡略化についても丁寧に説明しておくことが重要です。
FAQ(よくある質問)
1. 令和6年から定額減税の対象となる条件は?
合計所得金額が1,805万円以下であれば、所得税と住民税の減税対象になります。
2. 扶養控除等申告書で簡易申告書を利用できるのはどのような場合ですか?
前年と同じ扶養状況の場合に、簡易申告書が利用可能です。
3. 住宅ローン控除の年末残高証明は提出不要になりますか?
2024年度以降の申告から、年末残高証明の調書方式が導入され、金融機関からの証明書提出が不要になる可能性があります。
4. 国外居住親族への送金で電子決済手段の証明書が使えるのはどのような場合ですか?
内閣総理大臣が登録する電子決済業者の発行する「国外移転の依頼書控え」が新たに利用可能です。
5. 年末調整に向けて従業員に周知するべき内容は何ですか?
定額減税の導入、申告書類の簡略化、電子決済手段の追加など、新たな変更点を早めに周知しておくことが大切です。


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