中国・香港から日本へのスムーズな送金方法と注意点【マネーロンダリング対策に対応】

執筆者 中国語対応税理士 岩谷敦史
中国や香港から日本への法人送金では、マネーロンダリング防止のために送金手続きが厳しくチェックされることが増えています。
通常の売買取引であってもスムーズに送金が進まない場合があるため、今回の記事では、送金手続きを円滑に進めるための方法と、避けるべきリスクの高い手段について詳しく解説します。
適切な手続きでマネーロンダリング対策に対応し、安全で透明性の高い送金を実現しましょう。
この記事を読んでほしい人
この記事は、
中国や香港から日本への送金手続きに苦労している法人経理担当者や、
中国や香港からの送金手続きに苦労している方に向けています。
送金方法の改善と、リスクを避けるポイントを押さえることで、安心して送金手続きを進められるようサポートします。
Contents
海外送金手続きを円滑に進めるための対策【取引透明性の向上】
通常の取引であっても、送金手続きがスムーズに進むよう取引の透明性を高めることが重要です。
- 必要な書類の準備:契約書、インボイス、請求書など取引の詳細を示す書類を送金時に提出できるよう準備しましょう。
- 取引の目的や経緯を明確化:送金の背景を説明できるよう、関連情報をまとめておくとスムーズに手続きが進みます。
銀行との信頼関係の構築【送金手続きの強化】
取引銀行の担当者と良好な関係を築くことで、送金手続きが円滑になります。
- 事業内容や取引の性質を共有:取引内容を担当者に事前に説明し、銀行の理解を得ることで手続きの迅速化が期待できます。
- 取引状況を定期的に報告:銀行担当者に取引状況を報告し、信頼関係を築きましょう。
送金情報の正確な記入【曖昧な表現の排除】
送金依頼書には、送金の目的や受取人との関係、取引内容を詳細かつ正確に記入します。
曖昧な表現や不明確な情報を避けることで、マネーロンダリング対策の確認がスムーズに進みます。
送金資金の出所を明確に【証明書類の準備】
送金に使用する資金の出所を明確にし、必要に応じて証明書類を準備しておくと、手続きの円滑化に役立ちます。
- 送金原資を証明:預金通帳や売上記録、輸出許可書、インボイスなど、送金資金の出所を示す書類を用意しましょう。
定期取引の際の銀行への事前説明【確認手続きの簡略化】
定期的に発生する取引では、銀行に取引パターンを事前に説明しておくと、毎回の確認手続きが簡素化されます。
- 定期的な取引の内容を共有:銀行に取引内容の説明を事前に行い、手続きをスムーズに進めましょう。
避けるべき方法【地下銀行の利用リスク】
送金が通常の手続きで進まない場合、地下銀行を利用するリスクについても把握しておくことが重要です。
地下銀行を通じた送金には多くのリスクがあり、法的・倫理的にも問題があります。
- 法的リスク:地下銀行の利用は銀行法違反となり、違法行為に加担したとみなされる可能性が高く、罰則の対象となります。
- 資金の安全性が低い:地下銀行では資金の保証がなく、詐欺や資金紛失のリスクがあります。
- 個人情報の管理が不十分:正規の金融機関に比べて個人情報の保護が不十分で、漏洩リスクが高まります。
代替的な送金方法【信用状・エスクロー・フィンテック】
通常の銀行送金以外にも、信頼性の高い代替手段を利用することで、送金手続きをスムーズに進めることができます。
- 信用状(L/C)の利用:銀行が取引の仲介役を担うことで、取引の信頼性が高まり、スムーズな送金が期待できます。
- エスクローサービス:第三者が資金を一時預かり、取引条件が整った後に送金を行うため、取引の安全性が向上します。
- フィンテック企業の活用:国際送金に特化したフィンテック企業のサービスは、通常の銀行送金に比べ手続きが簡単です。ただし、信頼性と法的遵守状況の確認が必要です。
FAQ(よくある質問)
- 中国や香港から日本への送金で、マネーロンダリングの疑いを避けるにはどうすればいいですか?
- 取引の透明性を高め、送金目的や取引内容を詳細に記載し、銀行担当者との信頼関係を築くことが大切です。
- 地下銀行の利用にはどんなリスクがありますか?
- 法的リスクや資金の安全性が低いこと、個人情報の漏洩など多くのリスクが伴います。
- フィンテック企業の送金サービスは安全ですか?
- 利用前に信頼性と法令遵守の状況を確認することで、安全性が高まります。
- エスクローサービスとは何ですか?
- 第三者機関が一時的に資金を預かり、条件が整った後に送金するサービスで、取引の安全性を高めることができます。


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