一人社長・経理がグレーゾーンの経費(シロかクロか迷う)の判断方法

経理事務は社長・社員から集まってくる、領収書・請求書をチェックしなければなりません。
「これって経費になるの?」という問題に悩むことはないでしょうか。
何でも経費にしてしまえという考えではなく、健全な価値観を持ち冷静に判断することが大切です。
経費として認められないのであれば、「ダメなものはダメ」と社長や社員にキッパリ言う勇気も必要です。
この記事では、グレーゾーンの経費の判断方法について解説しています。
この記事を読み、少しでも参考にしていただければ幸いです。

経費は税務調査が来たときにきちんと説明できることが重要

経費には明確な基準がありません。
仕事で使用したものは経費、プライベートで使用したものは経費にできないというのが一般的ですが、グレーゾーンの経費も出てくるでしょう。
よって経費として計上するのであれば、税務調査の際にキチンと「事業をおこなうために必要な支払い」と説明し、納得させることが重要です。
調査官が納得しなければ、事業用の経費だとしてもクロになります。
税務調査が来たときに経費として説明できるのならば、経費と判断して良いでしょう。

税務調査に対して経費だと説明しやすくなる方法

ここからは税務調査の際に経費として説明し、納得してもらいやすくなる方法を説明していきます。
・交際費
・旅費交通費
・雑費
・寄付金
1つずつ見ていきましょう。

交際費

交際費はプライベートとの線引きが難しく、明確に経費と証明するのは難しくもあります。
よって、税務調査で交際費は特にチェックされやすいのです。
交際費として計上するのであれば、以下のことをメモしておきましょう。
・食事の際の人数や場所
・取引先名
・時間
・会話の内容
メモを残すことで忘れても大丈夫ですし、メモを元にスムーズな説明もしやすくなるでしょう。

旅費交通費

旅費交通費は電車やバスなどの公共交通機関を利用した際や、出張の宿泊費や日当代、駐車場料金などが当てはまります。
電車やバスなどは領収書が発行されませんので、証憑となるものが何か、悩む経理担当者は多いでしょう。
旅費交通費であれば、下記の部分をメモしておくことをおすすめします。
・日付
・利用区間(乗車駅・下車駅)
・移動の目的
SuicaやPASMOといった交通系ICカードは、過去の履歴を確認したり印刷したりできます。
交通系ICカードを利用すれば税務調査の際も、より明確な説明ができるでしょう。

雑費

雑費の基準としては以下の3つが当てはまります。
・金額が少額
・普段は発生しない経費
・他の勘定科目に当てはまらないもの
例を挙げると、ごみ処理代やクリーニング代、安全協力費の会費代などです。
雑費が多いと損益計算書において、何に使ったか分かりにくくなります。
つまり、税務調査の際に説明が難しくなるのです。
何でもかんでも雑費にしてしまうと、決算書の信頼性が低いと判断され、税務署の調査理由にもなります。
科目に迷ったとき、雑費はできるだけ使用せず、消耗品費に計上したり新しく勘定科目を設定したりして工夫しましょう。

寄付金

寄付金は一定の金額を損金に算入できるので、節税対策にもなります。
しかし寄付金もプライベートとの区別が難しいため、税務調査で重点的にチェックされやすいです。
寄付金といっても、一般の寄付金・指定寄付金・特定公益増進法人への寄付金など、細かくわけられています。
➀寄付金となるものが他の科目で計上されていないか
②社長個人が負担すべき寄付金ではないかどうか
③寄付金の区分についてしっかり要件を満たしているか
寄付金に関しては上記3つのポイントを押さえておくことが重要です。
上記3つを押さえておけば、どんなときも経費だと説明できるでしょう。

経費には明確な基準がないので経理がルールを決める必要がある

前述したように、経費には「これがシロで、これはクロ」というような明確な基準がありません。
経費とするならば、経理がキッチリ説明できるようにする必要があります。
そのため、経理の中で経費とするもの・経費としないもの双方のルールを定めて、会社全体に周知しておきましょう。
経理がルールを定めることにより、その会社の経費の定義が出来上がるのです。

まとめ

経費に明確な基準はありませんが、税務調査の際に経費だと納得してもらえる説明ができるのであれば、経費と言って良いでしょう。
そのためには、いつでも説明できるように工夫しておくことが大事です。経理内で経費のルールを決めれば、よりグレーゾーンは狭まります。
この記事が少しでも参考になったなら幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

PREV
経費を重複してしまう!?ミス計上しないための整理方法とは?
NEXT
消費税の税額計算の仕組みと輸出免税の税額計算の仕組み